自己肯定感が高いと、行動力、主体性などプラスの作用があります。
ただし、自己肯定感を高めるのはそう簡単ではないと思います。

経験の中で起こった出来事を、どう捉えてゆくかによって、自己肯定感の高低は変わります。

今回は、自己肯定感を下げない方法を私なりの視点で述べてみたいと思います。

自己肯定感は「捉え方」です。
まずは否定的に捉えることを防ぐことも大事だと考えています。

自己肯定感の高低はどう評価するか

自己肯定感の高低は、「いまの自分で大丈夫」と思えるかがポイントです。

言い換えると今の自分を否定せず受け入れるといったところでしょうか。

自己肯定感が低いと、「自分はダメだ」と自己否定的な感情に陥ります。

一方、自己肯定感が高いと、「ダメ」とは思わず、別の捉え方をします。

脅威と捉えるか、試練と捉えるか

私はよく、マイナスな出来事に直面した時に、自分を見つめて、問いかけます。

「これを乗り越えたら成長できる!」と。

つまり出来事を試練と捉えます。
この時点で、「自己肯定感は高い」と言えます。

一方、脅威は、遭遇した瞬間に、何もできずに悩みこんでしまう状況といえます。
これを、「自己肯定感が低い」と私は理解しています。

「自己肯定感が低い」状況は辛いので、まずは自己肯定感を下げないようにしたいところです。

自己肯定感の例

少し例を挙げて説明します。

■【状況】忘れ物やものをよくなくす

<自己肯定感が低いケース>
忘れ物、ものをなくす自分はダメな自分、管理できない。
何とかしなきゃ、なんとかして忘れ物をしないようにしなくちゃ!と自分を責めてしまいます。

<自己肯定感が高いケース>
忘れ物、ものをなくすけど、まあ自分らしくていい!、次からは気をつけよう。

さて、上記の例を見てどのように感じますか?

「忘れ物、ものをよくなくす自分はダメだ」と自分を責めてしまうケースはよくあると思います。
忘れ物をする自分に対して自己否定すると苦しくなってしまいます。

一方、忘れ物、ものをよくなくす自分を「自分らしい」と認める点はポジティブですが、それだけでは忘れ物をする問題点は解決しません。

忘れ物が多い自分を受け入れ、そんな自分と上手に付き合うには、忘れ物により生じる問題点を解消しておく必要があります。

つまり、「よく忘れ物をする」自分を認めつつ、不利益が生じている結果(問題)に対しての対処をすることで、気持ちを楽にします。

忘れ物の問題については、自分自身の性格に合わせてベストな対策をとることになります。

例えば、
・リマインダーを使い、「**を忘れない」と通知する
・気付くところにメモを書いておく
・指差し確認を行う(一定の効果があるそうです)
・大事なものは、いつも決まった場所に置く
などなど

このケースは忘れ物をする自分を自覚し、それに対して日常生活で不利益を被らないようにするために、対処を考えています。

よく忘れる自分でも、日常生活で補うことができれば、自己肯定感が下がるのを防ぐことができます。

マイナス面も工夫すればプラス思考になる

先程の、忘れ物の例のように、悪い面を補う工夫をし、1回でも効果があればネガティブな出来事もポジティブに変わります。

失敗やハンデを認め、それを補う工夫をする。
つまり、失敗から学び成長するといった効果です。

そして、次はその効果を持続させること。
次のステップへと前進です。

自己肯定感が下がることを防ぎ、徐々に上げてゆく感じです。

自己をよく理解しておくこと

大事なのは、自分が「***に弱い」と言うことを認知すること。

そして、弱いと認知したら、それにどう対処するかを考えることです。

必ずしも、弱いところを直すだけが対処方法ではありません。

そこで、登場するのがリスク対応の手法です。

リスク対策の手法を活用する

リスクマネジメントの分野ではリスクに対する対策として以下を挙げています。

それは「回避」、「転嫁」、「軽減」、「受容」の4つです。

状況毎にリスク対策を使い分けることで、自己肯定感を下げない効果があると思います。

回避

リスクを生じさせる要因そのものを取り除くという意味です。

前述の例だと、忘れ物で困るシチュエーション自体を発生させないことです。

例えば、家の鍵を忘れそうであれば、そもそも外出しない。
大事なものをなくしたりする恐れがあるのであれば、持ち出さない等です。

つまり「なくしたり、忘れたりして困るものは持ち出さない」ということです。
ムダなものは持ち出さないなど、合理的に考える思考はポジティブだと言えます。

ただし過剰過ぎると行動力が下がりそうです。
状況に応じて、他の対策も上手に活用しましょう。

軽減

ショックを小さくするといった意味の対策です。

前述の例だと、鍵を忘れるなどの場合はスペアキーを作る、お金であれば必要最低限の金額しか持ち歩かないなどで影響を小さくします。

転嫁

何かに頼るなどが該当します。

忘れないようにスマホのリマインダーを使う、アラームを鳴らすなどの対策もこれです。

また、家族や友人などにフォローしてもらう対策も転嫁だと思います。

ただし、他人がフォローし忘れても、他人のせいにしないように気を付けたいところです。

受容

対策をとらずに受け入れることです。

放置していても影響がない、又は影響が小さいならこの選択もありです。

上記を上手に使い分けることで、「なんとかやっていける」と思える状況を作り出すことで、自己肯定感を下げない対策がとれると思います。

無理に修正しようとしないことが大事です。

人には誰でも強みと弱みがある

どんなにスーパーな人でも、弱いところは必ずあります。
逆に、弱いところが目立っていても、実は強みが必ずあるといえます。

強みは自分自身では気付かず、潜在しているのです。
また、弱みについては、ダメと決めつけず、上手に付き合う方法を考えるのがポジティブです。

性格や癖に関する弱みは、なかなか修正できません。
ましてや先天性のあるものであれば、無理に修正しようと考えることで、過剰なストレスが生じて逆効果です。

キャリアコンサルタントが支援する、キャリアコンサルティングでは、面談を通してそんな強みを一緒に考えてゆく支援もします。
弱みについては、受け入れつつ、捉え方を変える、リスク対策のように対処し上手に付き合うなど、肯定的に考えることができるように支援します。

【まとめ】自己肯定感は高めるではなく、下げないようにすることから始める

自己肯定感が高いと、主体性などが高まり、ものごとがプラスに作用しますが、まず下げないことが大事だと思います。

そのためには、下げる要因を知ること。

そしてそれを受け入れ、どう対応するかを考えて行動する。

これができてくると、ネガティブなこととも上手に付き合えるようになります。

対応できるようになると、「今の自分でも大丈夫」と思えるようになるのではないでしょうか。

こちらの記事もおすすめ

自己肯定感に関わる他の記事も参考までにご紹介します。

■「自信がない」ことは成長のためには必要だと思います。

■自己肯定感を高めるには実は「自己有用感」が大事だったりします。

■「つらい」と感じた時の考え方です。参考になれば幸いです。

■「強みの発見」の参考になれば幸いです。