キャリアコンサルタント更新講習(技能講習)は複数の実施機関で多彩な講習が開講されています。
費用の他にも講習時間、講習内容も機関によって異なります。
本記事では更新講習実施機関を調査し、各視点でのおすすめを紹介したいと思います。(終了している講座もあるため注意ください。詳しくは機関のサイトを参照)
更新講習選定の手助けになれば幸いです。
なお、以下の関連記事も合わせて参照ください。
キャリアコンサルタント更新講習 いつから受けれる?期限はある?
キャリアコンサルタント更新講習の費用とおすすめ【知識講習編】
キャリアコンサルタント更新講習の選び方や費用、講習時間について【技能講習編】
費用(安い)で選ぶ
比較的ですが受講料の安い機関をご紹介します。
みなさんにとって 「活かすことができる講習」 であればおすすめです。
調べてみたところ、規模の小さな機関の方が比較的安い費用で受講できそうです。
規模の大きな機関では会員価格でようやく同じ受講料になったりします。
なお、みなさんが通った養成講座の機関が実施している更新講習も、受講生割引で安くなっている場合もあります。
以下と比較してみてください。
NPO法人ICDS
費用は調べた中では一番安い機関です。
6時間の技能講習で10500円(非課税)(500円はテキスト代)。
講習により費用が異なりますが、他機関と比べても安い受講料となっています。
安さに加えて開講数が少ないため、すぐ満席になるようです。
申し込み開始時期など、こまめにチェックしましょう。
あしあとみらい研究所
講習時間は7時間で費用はどの講習でも15000円固定です。
さらに、開講数が多いため受講しやすくおすすめです。
機関のサイトを確認した限り、日程も定期的に更新されており更新講習にかなり力を入れているようです。
トータルバランスマネジメント(TBM)
講習時間は6時間で費用は15000円固定です。
講習の内容によらず、時間と費用は全て同じ値段です。
確認した限りでは、毎月何かしらの講習は開講されています。
日本キャリアカウンセリング研究会
一律料金ではありませんが、講習時間は6時間で費用は15000円の講習があります。
開講数が少ないので注意が必要です。
資格の大原
講習時間は6時間で費用は15000円~16200円です。
こちらも比較的安い費用で受講できます。
(以下の紹介にはプロモーションが含まれています)
・資格の大原関西カウンセリングセンター
講習時間と費用は6時間で15000円、5時間で12500円です。
定期的に開講しているようなので、申し込みは比較的しやすい機関だと思います。
日本人材派遣協会
講習時間は6時間で費用は14000円です。
Zoomによるオンライン講習もありますが、東京/大阪/仙台/名古屋でのリアル開催もあります。
オンライン講習は日程が限られていますので、日程を確認しましょう。
短時間の講習で選ぶ
講習時間が短い講習を扱っている機関をご紹介します。
3~4時間の短時間で受講できる講習は複数あります。
更新講習のお試しとしては、おすすめです。
ただし、短時間の講習ばかり受講するのはコストパフォーマンスが良いとは言えません。
4時間の講習は数多くあります。
4時間のため6時間の講習より安くはなりますが、時間単価では高くなります。
短時間の講習ばかり受講してしまうと、トータルコストは高くなります。
なお、技能講習の選び方、費用や講習時間の目安については以下を参照ください。
キャリアコンサルタント更新講習の選び方や費用、講習時間について【技能講習編】
講習の数が多い
講習の数が多い機関をご紹介します。(20講習以上)
毎月何れかの講習を開講しているので、内容よりもまずは受講してみようと思われる方にはおすすめです。
また、講習の数が多いため希望する専門領域の講習を見つけやすいメリットもあります。
いろんな機関の講習を物色する手間も省けるので、時間がない方はこちらから選定してみてください。
キャリアカウンセリング協会
講習の数は40講習で業界最高数です。(休止中含む)
毎月複数の講習を開講しているため、更新期限が近く吟味する余裕がない場合や、迷ったらここです!
ただし、CCA会員やGCDF-Japan資格者は受講料割引が適用されますが、一般価格は7時間で30000円を超えてきますので、他の機関と比べると高いです。
産業カウンセラー協会
確認したところ、30講習ほどあります。
費用は6時間で20000円ほどです。(講習により異なる)
オンラインによるキャリアコンサルティングに特化した講習など希少価値の高い講習もあります。
日本キャリア開発協会(JCDA)
カウンセリングスキル、グループ支援を中心に構成されています。
自己概念を「金の糸」と表現するすごろくゲームが独特です。
日本マンパワー
事例や演習で学ぶ講習です。
4時間の講習も多くあります。
パソナ
長いタイトルの講習名が多いですが、どのような領域を対象とするかが分かりやすく表現されています。
IT人材向け、越境学習をテーマにした講習はパソナしかありません。
就職/転職の支援
就職、転職支援はキャリアコンサルタントの支援領域の中で、もっともニーズが高い分野です。
それだけに、たくさん更新講習があるだろうと想像していましたが、調べたところ意外と適用講習は少ないことがわかりました。
資格の大原
大原の更新講習は就職/転職に関する講習が充実しています。
職務経歴書の活用、価値観分析など就職の際に必要な支援力を学べます。
(以下の紹介にはプロモーションが含まれています)
・資格の大原CARICON.CO (キャリコン.シーオー)
就職支援者向けの講習があります。
エントリーシート作成時の支援や模擬面接のためのトレーニングなどです。
講習時間は4時間でオンライン開催のため、スケジュール調整がしやすいですが、開講数が年間2~3回なので、早めに予定しておきましょう。
雇用開発センター
一般財団法人雇用開発センターでも更新講習を実施しています。
これから需要が高まると予想される45歳以上の転職希望者に対する支援力を学ぶ講習があります。
ただし、東京でのリアル開催のようで、遠方の人が受講できないのが残念です。
また、高卒就職に特化した支援力が身に付く講習もあります。
単発開催のようで、見逃すと次受講できない可能性があります。
受講希望の場合、こまめに日程を確認しておきましょう。
中高生向け教育現場での活用
中学校、高等学校の先生をはじめ、教育現場で活動しているキャリアコンサルタントは多いと思います。
ただ、中高生向けキャリア支援を対象とした更新講習は調べた限りだとNPO法人ICDSのみです。
グループ支援やカウンセリングスキル、アセスメントツールなど教育現場での応用が可能な講習を組み合わせて活用したいところです。
雇用開発センターでは、高卒就職者に対する支援を意識した講習も開講しています。
産業カウンセラー協会の学生支援者向け講習は各年代向けとなっています。
大学生の支援
主に大学生や専門学校生などの学生支援のための講習です。
大学生支援を対象とした講習は、多くの機関で開講しています。
しかし、講習内容はそれぞれ異なっており、対象が大学組織内で所属している人向け、学校関係者以外、応募書類の添削力、就職支援関連スキルの修得等それぞれ講習の目的も異なっているので、各機関の講習案内を参照しながら、ご自身のニーズに合った講習を選定ください。
中高年(ミドルシニア)の支援
定年後のセカンドキャリア、シニア向けの転職支援など、近年シニア層の増加に合わせてニーズの高い領域です。
更新講習として対応する機関は徐々に増えてきています。
年齢が45歳~、50歳~など講習の中でもターゲットとしている年代が分かれているので、それぞれの講習の特徴を把握したうえで、自身の目的に合った講習を選んでみてください。
両立支援
病気の治療と仕事、家族の介護と仕事、育児と仕事など両立支援に関する講習です。
両立支援全般として、CARICON.CO (キャリコン.シーオー)の両立支援講習については、子育て・介護・病気治療を、ひとくくりの講習で対応しているようです。
治療と仕事の両立
主にがん治療と仕事との両立支援が中心ですが、がんに限定せず病気の治療といったくくりの講習もあります。
自身のニーズに合わせて選定ください。
介護と仕事の両立
現状、介護と仕事の両立支援に特化した講習が見つかりませんでした。
しかし、介護の問題は、中高年(三ドルシニア)層の抱える問題の一部として扱うケースが多いため、中高年(三ドルシニア)支援向けの講習を選定するのが良いと思います。
育児と仕事の両立
女性向けの支援に特化した講習については、いくつか育児と仕事の両立支援にも関連します。
育児と仕事の両立支援に特化した講習は、「トータルバランスマネジメント」主催の講習がおすすめです。
CARICON.CO (キャリコン.シーオー)は女性のワークライフバランスに焦点を充てた講習となっており、育児と仕事の両立支援には関連していそうです。
育児と仕事の両立支援に関連する講習実施機関を以下でご紹介します。
メンタルヘルス
メンタルヘルス不調者などを支援対象とする領域です。
メンタルヘルス系で多くの講習を扱っているのは、キャリアカウンセリング協会です。
他にも開講している機関を記載します。
発達障害についての理解と支援
多くの機関で発達障害についての理解と当事者への支援向け講習を開講しています。
機関によりそれぞれ異なる特徴があると思います。
何れも、発達障害の特性などの知識をまず修得し、就労支援をメインとするのか、職場内での支援をメインとするのかなど受講するキャリアコンサルタントの目的に応じて、講習を選定いただければ幸いです。
発達障害についての事前知識を得た後に、講習を選定することをおすすめします。
LGBTQ/SOGI
日本国内における、LGBTQ当事者は約10%といわれています。
10人に1人、左利きやAB型とほぼ同じ割合となります。
そして、まだまだカミングアウトしづらい環境が多くあります。
ニーズの高い領域であり、講習として対応する機関も増えつつあります。
対応機関は以下の通りです。
生活困窮者の支援
東京リーガルマインドの更新講習がおすすめです。
この領域向けの講習を扱う機関が少ないためです。
外国人のキャリア支援
外国人材のキャリア支援のための知識、技能を学ぶ講習です。
今後、少子高齢化が加速する中で労働力不足を補うために、外国人労働者を積極活用する企業は増えることが考えられます。
つまり、支援する側の専門家も育成する必要性を感じますが、対応している機関はごくわずかです。
セルフ・キャリアドック
企業内ではセルフ・キャリアドックが注目されています。
重要度も高く、更新講習に対応している機関もたくさんあります。
更新講習の紹介は以下の記事を参考ください。
キャリアの理論や手法
キャリア理論やカウンセリングの手法などを学べる更新講習は以下の記事を参照ください。
グループ支援
ファシリテーションやキャリア研修の企画、運営についてのスキルが学べる更新講習は以下の記事を参考ください。
【まとめ】ニーズの高い領域の講習はまだまだ少ない
いろいろ調査してわかったことですが、IT領域をはじめ、支援が必要な領域に対する支援者育成の講習はまだまだ不足していると感じました。
教える側の人材が少ないといった背景もあると思います。
キャリアコンサルタント各自が、それぞれの専門性を磨き、学び合うことで支援力強化をはかることが大事だと感じます。個々のキャリアコンサルタントがそれぞれの専門性を活かして更新講習の講師をしてみるのも良いでしょう。