知識講習のおすすめ機関についてご紹介します。

キャリアコンサルタントのみなさんは、資格更新のために更新講習を受講されると思います。
更新周期は5年毎です。

更新講習の受講ノルマは知識講習8時間、実技講習30時間です。

受講したい更新講習の選定は、キャリアコンサルタント関連講習の検索サイトを活用することになります。

■キャリアコンサルタント講習検索サイト

この検索サイトを使って希望の講習を絞り込みますが、キャリアコンサルタント登録者数の増加に伴い、講習実施機関の数や講習の種類もかなり増えています。

検索サイトを有効活用したいところですが、検索結果によっては情報が多すぎたり、また情報が古かったり、リンク切れや間違っている内容もあり、なかなか希望の講習を見つけるのが大変です。

また、受講費用も機関によってバラバラに見えます。

そこで、本ブログでは、何回かに分けて、更新講習のおすすめや、費用、講習の特定方法などをお伝えしたいと思います。

今回は知識講習についてです。

技能講習については以下の記事を参考ください。

知識講習の要件

知識講習は8時間以上の講習が必要です。

知識講習では以下の科目が8時間の講習時間に盛り込まれています。
これは厚生労働省により定められた科目です。

【知識講習の含まれる科目(厚生労働省HPより抜粋)】
(1)職業能力の開発(リカレント教育を含む。)の知識
(2)企業におけるキャリア形成支援の知識
(3)労働市場の知識
(4)労働政策及び労働関係法令並びに社会保障制度の知識
(5)学校教育制度及びキャリア教育の知識
(6)メンタルヘルスの知識
(7)中高年齢期を展望するライフステージ及び発達課題の知識
(8)個人の多様な特性の知識
(9)その他キャリアコンサルティングを適正に実施するために維持を図ることが必要な知識

講習検索サイトで調べると、同じ8時間でも 機関によって費用が大きく異なります。 

以下で費用が違う理由と、私のおすすめ知識講習についてまとめます。

知識講習の費用差について

機関によって受講費用の差がありますが、どの機関でも講習時間はほぼ8時間です。

では、どうして費用に差があるのでしょうか?

それは 実施機関により受講方式が異なる からです。
後述しますが、 受講方式には「対面」「オンライン」「通信」の3種類 があります。

「通信」が安価で、「対面」が最も高額です。

その他で費用差がある要因は以下です。

教材がPDFなどの電子データの場合は受講料が安い

冊子の教材を扱う機関については、教材の送料も含まれるため比較的値段も高くなる傾向があります。

しかし、労働法令も含め、情報は常に変化しますので、個人的には冊子で残す必要はあまりないと思います。
電子データで配布される機関の方が安価だと思います。

受講方式による違い

知識講習には対面学習、オンライン学習、通信学習があり機関毎に方式が異なります。

対面

更新講習実施機関が指定する場所に出向き、講師の指導の下で受講する方式です。

この方式で開講している機関は、コロナの流行後の現在はかなり限られています。

 費用も高額で相場は2万円付近からです。 
冊子や本などで教材は配布されます。

確認した限りでは以下の機関が対面開催に対応しています。

・日本キャリア・マネージメント・カウンセラー協会 (東京)

オンライン

Zoomなどを使って、定められた日時に受講する方式です。
オンライン上で講師が登壇して説明を受けます。

コロナ流行後から増えてきた受講方式です。
全国どこからでも受講可能で便利。

 費用としては1万5千円付近が相場です。 
教材が冊子や本か、電子データをダウンロードするかは機関によって異なり、そこが費用差に反映されています。

通信

動画視聴などのEラーニングによる受講方式です。
開講期間は約1ヶ月程度で、その間に動画の視聴、テキストの読み込み、修了テストを実施します。

この方式を採用している知識講習の費用は比較的安いです。
 費用としては数千円~1万5千円付近が相場です。 
冊子や本などで教材が配布される場合、費用が高くなっています。

ご自身の学習スタイルと予算に応じて、最適な受講方式を選択すると良いでしょう。

知識講習は受講料の安さで選ぶ

では、私のおすすめ基準についてお伝えします。
(おすすめ機関は本記事の最後に記載しました。)

 おすすめは、受講料の安い講習です。 

知識講習は学びの入口であり、ここに費用をかけるのは少しもったいないと考えているからです。

厚生労働省の指針によると、知識講習は前述の科目に対し「最新知識をすべからず修得すること」が求められています。
機関ごとに講師の質や、内容が若干異なっていても、8時間の中だけでは質の差は大きくないと思います。

キャリアコンサルタントは、労働市場や最新の法令改正などにアンテナを張り、常に学び続ける必要があります。
 知識講習はきっかけであり、学びの入り口です。 

キャリアコンサルタントの関わる守備範囲は広く、どの分野を深く学ぶかについては自身を取り巻く環境、課題などによって様々です。

つまり、どの分野を深く学ぶかは自分次第であり、そこの深さは実技講習や日々の研鑽、学習で補うことになります。

なので、 「知識講習は費用の安さで選ぶ!」 が良いと思います。

キャリアコンサルタントの研鑽活動にはお金がかかります。
以下で活動にかかる費用についてまとめていますので、参考ください。

知識講習の申し込みと受講タイミング

キャリアコンサルタント資格の更新は5年毎のため、知識講習も5年単位で受講することになります。

5年間のうち任意のタイミングで申し込み、受講することになりますが、ご自身の関わるイベントに合わせるか、学びのモチベーションが高い時期に受講することをおすすめします。

ただし、申し込み時期や受講タイミングについては注意が必要です。

知識講習の申し込み期間に注意

動画視聴で学ぶ講習でも、申し込み期間と受講期間が決められている講習があります。

例えば最も受講料が安い一般社団法人地域連携プラットフォームの知識講習の場合、申し込みと動画視聴期限が12/1~1/31となっています。

つまり、いつでも受講できるわけではないため、 更新直前で慌てないように更新年度の1年前までには知識講習を終わらせておきましょう。 

定員が決まっている

知識講習は実技講習と違い、受講定員数を比較的広く設けています。

機関により1回の開催での定員が数十名~数百名とバラバラです。

通信の場合は動画配信するサーバーの処理能力にも依存しそうです。

対面やオンライン形式の講習の場合は更に定員数は限られてきます。

年度が変わってから速やかに受講するのが良い

知識講習は通信講座がメインになりますが、機関によっては年度毎にコンテンツが見直されます。

つまり労働法令なども定期的に最新の内容に反映されるわけです。

コンテンツの見直し時期について、実際は実施する機関毎により異なってきます。
定期的に機関のサイトで確認しましょう。

傾向としては、新年度(4月)にスケジュールも公表されます。

実技講習も合わせて、年度で受講計画をたてておくと良いでしょう。

私のおすすめ知識講習

 費用が安く、定員数が多い、受講申し込みのタイミングに幅がある機関の通信講座が私のおすすめです。 

なお、知識講習には「会員 無料」や「会員割引あり」で受講できる団体もあります。
日本キャリア開発協会(JCDA)の知識講習などはまさに「会員 無料」です。
しかし、別途年会費などが発生するため、更新講習のためだけに入会するのはおすすめしません。

では、各視点でおすすめの機関を紹介します。

受講料が安い

1万円以下で受講できる講習です。

・一般社団法人地域連携プラットフォーム
※申し込み日、受講日程、定員数(60名)が限られています。

・関西カウンセリングセンター

キャリアコンサルタント講習検索サイトにおいて最も費用が安いのは放送大学で5,500円です。
ただし入学料が別途必要で、トータルで見たときに、かえって他の機関よりも高額のため、おすすめからは外しました。

比較的毎月開催

開催回数も多く、1万円で受講できます。(個人的に費用は1万円くらいで抑えておきたいです。)

・日本マンパワー
(※受講生割引があります。日本マンパワーの養成講座を受講された方は8,000円で受講できます)
・パソナ

1回の定員数が多い

・日本キャリア開発協会(JCDA)
※年度の締め切りが早いため、早めに申し込みしましょう。

以上を参考に各機関のスケジュールを確認のうえ、どの機関で受講するかを選定ください。

■関連リンク

・更新講習の受講について【厚生労働省】

・キャリアコンサルタントWebサイト 登録の更新申請

・キャリアコンサルタント講習検索サイト

技能講習については以下の記事もご覧ください。