キャリアコンサルタント資格の取り方についてお伝えします。

キャリアコンサルタント資格登録者数は22年3月時点で6万人を超えています。
国は10万人養成の計画を出していますので、まだまだ道半ばです。

では、キャリアコンサルタントになるための道のりについて、以下に記載します。

資格取得までの流れ

キャリアコンサルタント資格取得までの流れは以下のステップに分かれています。

  • ステップ1:受験資格を得る
  • ステップ2:キャリアコンサルタント試験に合格する
  • ステップ3:キャリアコンサルタントとして登録する

受験資格

キャリアコンサルタント試験は誰でも受験できるわけではなく、受験資格があります。

【受験資格】
・厚生労働大臣が認定する講習の課程を修了した方
・労働者の職業の選択、職業生活設計又は職業能力開発及び向上のいずれかに関する相談に関し3年以上の経験を有する方(実務経験)
・技能検定キャリアコンサルティング職種の学科試験又は実技試験に合格した方

実務経験

キャリアコンサルティングに関する3年以上の実務経験です。

ここでの「キャリアコンサルティングに関する」とは、
「労働者の職業の選択、職業生活設計又は職業能力開発及び向上のいずれかに関する相談」を指します。

実務経験について、受験資格として認められるかは個別判断となります。
受験申請の際、実務経験については、 上長証明が必要 です。

キャリアコンサルタント試験は、人事など対人支援業務に携わる方の多くが受験されるため、実際は実務経験者として受験資格を有する方は多いと思います。

ただ、養成講座で専門スキルを学びなおしたい方や、上長証明が必要なため会社には知られたくない方なども多く、実務経験から直接試験に向かう方は少ないのが現状です。(現状は1割程度です。)

厚生労働大臣が認定する講習修了者

「厚生労働大臣が認定する講習の課程を修了した者」と定義されています。
 講習は150時間 です。

認定されている機関にて 「キャリアコンサルタント養成講座」を受講 します。

技能検定キャリアコンサルティング職種の学科試験又は実技試験に合格した方

技能検定はキャリアコンサルタント試験の上位試験と位置づけられています。
なので、技能検定合格者は、キャリアコンサルタント試験は免除されることになります。

キャリアコンサルタント試験に合格する

キャリアコンサルタント資格を取得するには、キャリアコンサルタント試験を受験して合格が必要です。

キャリアコンサルタント試験の合格者は、国家資格キャリアコンサルタントとして資格登録することができます。

キャリアコンサルタントは 「名称独占資格」 であり、有資格者のみが「キャリアコンサルタント」を名乗ることができます。

試験は学科試験、実技試験があり、両方合格することで、資格の登録が可能です。

なお、学科試験と実技試験は必ずしも同時に合格する必要がありませんが、 専門実践教育訓練給付金の受給を希望の方は、直近の試験での同時合格が必要 になります。

教育訓練給付金については以下を参考にしてください。

学科試験

キャリアコンサルティングに必要な知識について、四肢択一のマークシート方式で出題されます。
 50問(2点×50問)の内、70点以上の得点で合格 となります。
試験時間は100分です。

実技試験

実技試験には、論述試験と面接試験があります。
 両方合わせて150点満点で90点以上の得点で合格 となります。

論述試験:事例記録を読み設問に解答する記述式です。(試験時間は50分)

面接試験:受験者がキャリアコンサルタント役となり、キャリアコンサルティングを行う 15分間のロールプレイです。
試験時間は20分です。(ロールプレイ15分、口頭試問5分)

なお、実技試験には足切りが存在します。
受験団体2団体のそれぞれの要件は以下のようになっており、満たす必要があります。

日本キャリア開発協会(JCDA)

論述試験の満点の40%以上の得点、かつ面接試験の評価区分の中の「主訴・問題の把握」「具体的展開」「傾聴」のいずれにおいても満点の40%以上の得点が必要。

キャリアコンサルティング協議会

論述試験の満点の40%以上の得点、かつ面接は評価区分「態度」「展開」「自己評価」ごとに満点の40%以上の得点が必要。

試験の合格率

試験の実施回によって多少バラつきますが、 学科、実技のダブル合格の合格率は50%~60% です。

他の国家試験に比べると合格率は高く、比較的取得しやすい資格といえます。
ただ、受験資格があるため、限られた受験者のみ受験していることも、合格率の高い理由だと思います。

また、基本的な 傾聴スキルを習得しないと、実技には合格しません ので、試験までに訓練していることが合格のための前提条件となります。

受験団体は2団体

キャリアコンサルタント試験は、日本キャリア開発協会(JCDA)、キャリアコンサルティング協議会の2団体で実施しています。
 合格率はどちらも同じで、有利/不利はありません。 
しいて言えば、「流派が違う」といったところでしょうか。

後述する、キャリアコンサルタント養成講座は実施機関によっては、どちらかに一方にだけ対応しているケースがあります。

両方に対応している機関もありますが、何れか一つだけ対応している機関の方が、受験申し込みの際、受験団体を迷わず決められるメリットもあります。

キャリアコンサルタント養成講座を受講する

厚生労働省より認定を受けた機関で、受講が可能です。
養成講座の実施機関については、以下のリンクを参照ください。

【関連外部リンク】
・キャリアコンサルタント養成講座の紹介(わくわくバルーン)

・キャリアコンサルタント講習検索サイト(厚生労働省)

スクール選びのポイントは 「ライフスタイルに合ったスクールを選ぶ」 ことです。
養成講座では、150時間のカリキュラムを消化する必要があります。
 期間は約5ヶ月 です。

受講中は定期的にスクールに通うかオンラインで受講するかになりますので、受講料も含めて継続しやすい環境での受講をおすすめします。

振替受講が可能な機関を選ぶ

平日と休日両方で開講しているスクールなら、振替受講が可能な場合があります。
前述しましたが、養成講座は数か月かかります。

 突然の都合で、参加不可の場合に振替受講が可能だと、とても助かります。 

振替のバリエーションとしては、土日⇔平日、土曜⇔日曜があると便利です。

受講料

受講料は機関によって異なりますが、 30万円~40万円 ほど必要になります。
自身が 「専門実践教育訓練給付金」の受給対象なのかを、まずは確認ください。 

受給対象でない場合は、全料金を自身で支払う必要があります。

金額の高さに応じて、サポートやサービスの充実さが変わる感じです。
振替受講の融通や、他の資格とのダブル取得、合格保証制度などがあります。

なお、私個人の印象としては、 安価なほど振替受講の融通がききにくいと感じています。 
並行して開講している講座が少ないためです。

また、自身の周囲に有資格者がいて、試験に向けてサポートが受けられるのであれば、試験対策に関わる費用については、出費を抑えても良いと思います。
(私自身も、身近の方は無償で学科、論述、面接試験の対策をサポートしています。)

説明会に参加する

養成講座の実施機関を選定する際は、候補の機関の説明会への参加をおすすめします。

金額に含まれるサービス、振替受講など、ご自身のライフスタイルに合った機関を確認し選択ください。

キャリアコンサルタント登録

試験に合格しただけでは、キャリアコンサルタントにはなれません。
 合格後は、キャリアコンサルタントWebサイトからキャリアコンサルタント登録を実施します。 

【関連外部リンク】
・キャリアコンサルタントWebサイト

費用について

キャリアコンサルタントは資格取得まで、資格登録、資格取得後と各段階で費用がかかります。
どのくらいかかりそうかの目安は、以下に記載していますので参考にしてみてください。

まとめ

 キャリアコンサルタント資格を取得するには、まずは養成講座選びから始める ことになります。
費用と時間がかかりますが、傾聴をはじめ得られるスキルも多く、私自身は資格を取ってよかったと感じています。

キャリアコンサルタントは、活躍の場も広がりつつあり、人の心に寄り添うスキルはテクノロジーの進化と共に重要性も高まってきています。

自分自身の内面に対して成長を促すためにも、良い資格だと思いますので、気になる方は、是非キャリアコンサルタント資格にチャレンジしてみてください。

【関連外部リンク】
・キャリアコンサルタントについて(わくわくバルーン)