キャリア理論や手法が学べるキャリアコンサルタント向け講習をご紹介します。
講習は主にキャリアコンサルタント更新講習として各機関が開講しています。
機関それぞれに特徴がありますが、一方で活用しやすい理論は複数の機関で講習が開講されています。
どんな機関でどのような理論や手法が学べるのか調査してみました。
以下を参考に、支援の際に自身の土台となる理論や手法を見つけてみましょう。
(※閲覧タイミングによっては紹介先サイトの講習が変更になっていたり、受付終了の場合がございます。)
<この記事でわかること>
・キャリア理論を活用した講習はどんな理論が多いのか
・講習を開講している機関をご紹介
・キャリアコンサルタント更新講習を選定する際に参考になる
・キャリアコンサルティングに役立つ手法が学べる機関がわかる
キャリア理論の講習とは?
キャリアの理論をベースとした講習です。
主にキャリアコンサルタント更新講習(技能講習)として開講されています。
講習の対象者は、理論を活用して支援を行うキャリアコンサルタント。
理論の観点をキャリアコンサルティングにどう活かすかを中心に学びます。
稀に一般の方が受講できる講習もありますが、理論の概要を学んでいないと難しく感じると思います。
認知行動療法
各機関の講習を調査した結果、開講数が最も多い手法は認知行動療法(CBT)でした。
考え方や捉え方のことを認知と言いますが、その認知に働きかけて気持ちを楽にする精神療法(心理療法)です。
キャリアコンサルティングで役立つ手法のため、複数の機関で更新講習として開講しています。
値段や開講日程などが異なるため、上記を参考に講習を選定ください。
ナラティブ・アプローチ
認知行動療法の次に講習数が多かったのが、ナラティブ・アプローチです。
医療や臨床心理などで使われている土台があるため、教えることができる講師が多いといった点もあるでしょう。
キャリアストーリーを語るアプローチ法としてキャリコンの世界では有名です。
関連する理論家としてはサビカス、コクランあたりでしょうか。
ブリーフセラピー
解決志向アプローチ(Solution Focused Approach)のことで、ブリーフセラピーとも言われます。
問題解決の場合、問題や原因を探るのに焦点を充てますが、それに対して、解決志向では解決した時に焦点を合わせるアプローチです。
クライエント(相談者)が保有するリソース(資源や資質、能力など)に着目します。
問題に焦点を合わせることがないため、クライエントの負担が少ないことも特徴です。
興味深いアプローチですが、更新講習としては以下の3機関での開講が確認できました。
キャリアコンサルタント更新講習では開講数も少ないため、ブリーフセラピーを修得したい場合は更新講習にこだわらず以下なども確認してみてください。
アドラー心理学
アドラー心理学はキャリアコンサルティングとの親和性が高いと常々思っていました。
ポイントは「勇気づけながら支援する」です。
キャリアコンサルタント更新講習として受講できる機関は調べたところ、以下のテクノファのみです。
これから増えてくることを期待したいと思います。
なお、更新講習以外でもアドラー心理学の講座はあります。
私も現在大学で学んでいますが、科目としてアドラー心理学を履修する予定です。
(以下の紹介にはプロモーションが含まれています)
アサーション
自他尊重のためのコミュニケーションスキルです。
つまり相手を尊重しつつ、自分の意見を主張する手法を学びます。
他にもいくつかありそうですが、ここでは以下1機関のみご紹介します。
理論家のキャリア理論
キャリアの理論家や理論に着目した更新講習も多くあります。
ここでは、複数機関で開講している人気の理論をご紹介します。
クルンボルツ
人気理論家です。
何といっても「計画された偶発性」理論
この理論を対人支援において上手に活用する方法を学ぶことができます。
他の機関は後述の「おすすめの機関」を参照ください。
サビカス
ライフデザインアプローチ、キャリア構成インタビューなどサビカスの理論を用いながら自己理解の手法を学びます。
なお、ナラティブ・アプローチでも登場します。
機関は後述の「おすすめの機関」を参照ください。
ハンセン
統合的人生設計(ILP)ですね。
ハンセンの理論を扱った講習は少なく、あしあとみらい研究所ではダイバーシティマネジメントと掛け合わせて活用手法を学べます。
スーパー
キャリアレインボーやライフロールを織り交ぜながら、支援に活かす手法を学びます。
シャイン
理論としてはキャリアアンカー、キャリアサバイバルが有名です。
キャリアアンカーを用いた支援法は東京リーガルマインドで学べます。
また、キャリアサバイバルの理論を活用した唯一の講習が株式会社 エイチ・アール・シー・キャリア (HRCC)にありました。
組織内の役割(ロール)に着目した支援方法を学べます。
残念なのは、講習が現地講習に限る点と開講数が少ない点。(オンラインでの開講なし)
キャリアサバイバル理論はミドルシニアの支援に適しており、知名度が上がれば人気の理論になりそうなだけに、理論を活用した講習が増えてほしいところです。
理論や手法を学ぶ!おすすめの機関
私の目線で見た、理論や手法を学ぶためのおすすめ機関をご紹介します。
理論を活用した支援力を強化する講習が複数ラインナップされています。
クルンボルツ理論、交流分析などの講習が確認できました。
キャリア理論を基準とした講座が複数ラインナップされています。
ホランドやスーパーなど、キャリアコンサルタントの世界では有名な理論家の理論ですが、東京リーガルマインドでしか扱っていない理論もあります。
講座数のわりには、キャリア理論を扱う講習は少ない印象ですが、それでもスーパー、クルンボルツといった重要理論家の理論を組み込んだ講座は存在します。
「実践で活かすキャリア理論」と題した技能講習が開講されています。
特定の理論に捉われないのであれば、こちらがおすすめです。
エゴグラムやブリーフセラピーなどの手法が学べます。
なんと言っても平日夜の短時間で学べるのがありがたく、忙しいビジネスパーソンにはおすすめです。
【まとめ】更新講習で学べる理論や手法はごく一部
いろいろ調査して気になったのが、プロティアンキャリアをはじめとした現代向けの理論や手法があまり更新講習として存在していない点。
またまだ、教えることができる講師がいない分野がいくつかあるように思えます。
各機関の講習ラインナップは定期的に変わりますので、こまめにチェックしてみてください。
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