キャリアコンサルタントの働き場所、活動場所をまとめました。

キャリアコンサルタントは一見すると転職/就職など、働くための相談に特化していると思われがちですが、実は様々な分野で活動しています。

<この記事はこんな方におすすめ>
・キャリアコンサルタントに興味がある方
・キャリアコンサルタントの資格取得後に就職/転職先を探すつもりの方
・キャリアコンサルタント資格の活用方法を検討されている方

キャリアコンサルタントの活動場所で多いのは?

キャリアコンサルタントの活動場所については、独立行政法人 労働政策研究・研修機構が2018年に調査しています。

これによると、企業内が最も多く、次いで需給調整機関、学校・教育機関、地域となっています

キャリアコンサルタントの活動の場(労働政策研究報告書 No.200)

企業内は、総務人事系、管理職、営業職などの人と接する機会の多い職種です。

私のように、企業内でエンジニア等の現場で働く人が、キャリアコンサルタント資格を取得して活用するケースもあります。

需給調整機関とはハローワークや、人材派遣会社、転職・就職支援などを行う業種です。

学校・教育期間は教員を含め、大学のキャリアセンター、キャリア教育を行う職員・指導員など。

地域は地域若者サポートステーションなど、自治体、NPOやボランティアなどです。

一部の方はキャリアコンサルタントとして独立している人もいます。

それでは、私の身近にいる人たちも含め、どこで働いているのかをご説明します。

就職/転職支援

就職/転職支援の業界はキャリアコンサルタントが活躍する大きなマーケットになります。

就職/転職エージェント

固い表現でいうところの民間職業紹介会社です。

支援を行う窓口のアドバイザーがキャリアコンサルタント資格を取得しているケースが多いです。

企業とのパイプも必要ですし、IT専門、介護・福祉専門といった業種/業界に特化した専門性も必要になります。

ハローワーク

ハローワークの相談員です。

私の身近でも数名の方が従事しています。

キャリアコンサルタントとして修得する知識やスキルが直接的に活かせる職業です。

採用代行

企業の採用担当者は多忙です。

そんな中で採用担当者の負担軽減などをはかるために、採用のアウトソーシング化が進んでいます。

受託する代行者にはキャリアコンサルタント資格者もいます。

過去に採用担当経験があり、キャリアコンサルタント資格を保持していれば、採用代行といて活動することは可能です。

人材派遣会社

人材派遣会社で派遣スタッフの支援をする方にもキャリアコンサルタントがいます。

派遣スタッフの方が働きやすいよう支援する役割です。

企業内

企業内で活動するキャリアコンサルタントも最近は多様化しています。

会社役員

大企業では、バリバリ働いている役員の方と言うよりは、定年付近で今後のキャリアを見据えて、キャリアコンサルタント資格を取得される会社役員の方はお見えです。

また、中小企業の社長さんなどは、社員と向き合うためにご自身でキャリアコンサルタント資格を取得し、傾聴力などのスキルを修得しています。

社員のキャリア支援を自ら行う方もお見えです。

人事

企業領域では人事担当者の方にキャリアコンサルタント資格者が多いです。

採用、社員教育、メンタルヘルス、労政など人事領域ではキャリアコンサルタントとしてのスキルを活かす場が多いためです。

管理職

部門や業種に関わらず管理職の方が、キャリアコンサルタント資格を取得するケースは増えてきています。

部下とのコミュニケーションなどの課題解決のため、1on1などを通しての部下のキャリア支援のためなどです。

製造/開発現場など

私がこの領域で活動しているキャリアコンサルタントです。

つまり、本業としてはキャリアコンサルタント資格が直接関連しない領域です。

直接的に活かすスキルがないと思われているため、なかなか現場で業務する担当者にキャリアコンサルタントはいませんが、現場レベルでの心理的安全性への取り組みについては、キャリアコンサルタントのスキルは活かすことができます。

何事も改革・改善は現場からなので、キャリアコンサルタントが現場に増えてほしいと私は願っています。

学校

学校内の様々な立場の人がキャリアコンサルタント資格を活用しています。

教員

学校の先生もキャリアコンサルタント資格保持者がいます。

生徒と接する際に傾聴力、カウンセリングスキルを活用することができます。

また、キャリア理論などを活用したキャリア教育の実施も可能です。

更には進路、職業選択の過程での助言や指導などで活かすことができますが、現実問題として労働市場を熟知している教員はほとんどいないため、労働市場で活動している人々と連携しながら支援することになります。

キャリアセンター

大学に多いですが、就職活動支援のためのキャリアセンターのスタッフにキャリアコンサルタントが配置されています。

就職活動の繁忙期は予約待ちになることもあるようなので、キャリアコンサルタントの専門性が活かされています。

学校勤務

学校へキャリアコンサルタントとして常勤し、キャリア教育、進路などのキャリア相談を行っています。

部活動のアウトソーシングもそうですが、教員の負担軽減にも一役買っています。

自治体・行政

市役所職員など市民の窓口として働いている方の中には、傾聴スキルを活かすためにキャリアコンサルタント資格を取得される方もいます。

また、自治体の管理職の中でもキャリアコンサルタント資格を活かし、部下のキャリア形成支援に活かしている方もいます。

地域の支援

自治体などと連携した地域の支援の中でも、キャリアコンサルタントが活動しています。

地域若者サポートステーション、NPOなどです。

また職業訓練校、障害者の就労支援・職業相談、就労支援センター、ジョブカフェなどさまざまなセーフティネットの中でも活動しています。

日常生活を維持するための職業(エッセンシャルワーカー)全般といってもいいでしょう。

金融・保険業

銀行や保険などの業界でもキャリアコンサルタント資格は活かされています。

お金とキャリアは密接な関係にあるからです。

お金の計画を「マネープラン」と呼びますが、人生の計画を「ライフプラン」と呼びます。

保険の世界では「ライフプラン」という言葉がよく使われます。

独立・フリー

これまでの経験を活かしてキャリアコンサルタントとして起業するケースなどです。

フリーで活動するケースは、今まで従事していた業界をベースにしている方が多い印象です。

航空業界、美容、介護、医療、教育などですが、分野は様々です。

業界事情に精通し課題を理解しているからこそできる、専門特化型のキャリア支援です。

ボランティア活動

ボランティア活動では学習支援、生活困窮者、障害者、高齢者をはじめとした、地域の貢献活動に関わっています。

私も、企業に勤めながら、複数のボランティア活動に参加していますが、傾聴力、生き方の支援をはじめ、地域貢献に活かしています。

キャリアコンサルティングを請負う会社

大企業では自社内でキャリアコンサルタントを抱え、セルフ・キャリアドックを推進する企業も増えてきました。

しかし日本の大半は中小企業です。

社内でキャリアコンサルタントを育成する体力もないため、必要時に社外へアウトソーシングすることになります。

最近、人事コンサルティングを請負う会社のサービスの一部として、キャリアコンサルティングに対応した会社も増えてきました。
そこのキャリアコンサルタントが就職ないし、請負契約などで対応する働き方です。

社労士などとの併用

社会保険労務士や中小企業診断士などの資格を活かして働きつつ、キャリアコンサルタントの資格を活用している方もいます。

まとめ

キャリアコンサルタントは様々な職業や資格との親和性が高いため、補助的な資格として活用するならば、どんな業種、業界でも活かすことができると思います。

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