キャリアコンサルタント更新講習の中でも特に技能講習は、各機関から多様なラインナップがリリースされており、選び方に迷うキャリアコンサルタントの方は多いのではないでしょうか。

キャリアコンサルタントの守備範囲は広いため、筆者の様に学生、就職・転職、企業内など広い領域で活動していると、どの講習を受けるべきか迷ってしまい、なかなか講習が選定できません。

そこで、更新講習の選び方について調査したことを記事にまとめたいと思います。

同じように迷われているキャリアコンサルタントの方にとって参考になれば幸いです。

更新講習の選び方の条件

更新講習の選び方の条件としては以下が挙げられます。

  • 講習の内容
  • リアル(対面)かオンラインか
  • 日程
  • 講習時間
  • 費用

各講習実施機関の傾向を調べて整理しました。

では、順に記載します。

なお、知識講習については以下の記事を参考ください。

技能講習のおすすめは、文末にリンクを張ってありますので、そこから参照ください。

講習の内容

厚生労働省より指定のある技能講習の科目の範囲は以下の通りです。

更新講習実施機関は以下に指定の範囲を満たす様々な講習を揃えています。

受講者であるキャリアコンサルタントが、自分自身のニーズに合った講習を選び受講します。

とにかく多様な講習があります。しっかり時間をかけて調べて、5年間で最大30時間分を計画的に受講することをおすすめします。

技能講習の科目範囲(厚生労働省HPより抜粋)

受講方式はリアル(対面)かオンライン

技能講習は知識講習と異なり、通信(動画視聴や教材閲覧)のみの講習はありません。
(事前課題のために一部だけ通信はあります。)

講習そのものは対面かオンラインの2種類による受講方式です。
オンラインで実施できない講習については、対面のみで開催です。

大半がZoomなどを使用したオンライン開催となっています。

つまり、全国どこからでも受講できる講習が増えており、選択肢の幅が広がっています。

事前課題と習得度評価がある

事前課題

技能講習の多くは事前課題があります。
事前課題と講習を合わせた時間数が講習時間としてカウントされます。

事前課題は正誤解答ではなく、事前配布された資料のレポートなどです。

習得度評価

理解度テストのようなものです。

講習の最後に習得度確認テストを実施し、講師が修得度を評価します。

習得度評価についても正誤解答ではなく、理解した内容を確認する記述式が多いです。

日程は年間または半年間隔で受講計画を立てる

思いついたタイミングで講習を探しても、なかなか希望の日程で、受けたい講習は見つかりにくいです。

資格更新の半年前を完了目安として、最大30時間の講習を終えられるように、年1~2回のペースで講習の受講を検討します。

<受講回数例>
・例1:7時間×4回、3時間×1回(5年間合計31時間)
・例2:8時間×4回(5年間合計32時間)
・例3:6時間×5回(5年間合計30時間)

ぴったり30時間で講習を終えたい場合は、3時間や4時間開催の講習を組み合わせて検討します。
また、受けたくても日程が合わなかったり、既に受付終了の場合も多々あります。

年度初めの4月や10月は各機関が講習スケジュールを更新するタイミングなので、年度の初めに公開される各機関のスケジュールをチェックするのが上手な選び方だと思います。

講習時間と費用

1回の講習時間については、実施機関と講習内容によって異なります。

時間の幅は3時間~12時間くらいまであります。(12時間以上の講習もあります)

当然、講習時間が短いほど費用は安いですが、ノルマの30時間まで数をこなす必要があります。

講習時間と費用の目安

各機関の講習時間と費用を見たところ、大まかには以下の傾向があります。

<講習時間と費用の傾向>
・4時間以内:~1万5千円
・5時間~8時間:1万5千円~2万5千円
・10時間以上:3万円以上

使用する教材、対面かオンラインかなどが費用に影響していそうですが、費用は機関毎に大きく異なっています。
アセスメントツールや冊子を購入して受講するような講習は、比較的費用がかかります。

一部無料の講習もある

日本キャリア開発協会(JCDA)では、ほんの一部ですが無料の更新講習があります。

ただし、会員無料のため入会金と年会費がかかります。

更新講習のためだけに入会するのはお得とは言えませんが、他の目的があれば入会しても良いと思います。

・日本キャリア開発協会 【入会案内】

・日本キャリア開発協会 【更新講習】

講習時間は6~7時間が多い

 講習時間の中央値は6時間~7時間 です。

ノルマの最大30時間に合わせて時間調整する場合は3~4時間の講習も活用することになると思います。
3~4時間の講習も充実していますので、困ることはないです。

受講したい講習を調べる

受講したい講習が決まっていない場合は、 キャリアコンサルタント講習検索サイト を活用して講習を探します。

オンライン開催の技能講習だけで400件以上ヒットし、絞り込むのが大変だと思います。

実施機関毎に講習のラインナップには特徴があります。
つまり機関毎に得意領域があります。

なお、検索サイトで表示されている内容は情報が古い場合があるため、実施機関のサイトで最新の情報を確認してください。
検索上に表示された講習が既に終了している場合もあります。(機関のサイトからも削除されていることがあります。)

【キャリアコンサルタント講習検索サイト】

会員割引などにこだわらない

ご自身が入会している団体や、過去にキャリアコンサルタント養成講座を受講した機関が主催している更新講習については割引価格で受講できますが、受講したい講習がない場合は無理に割引のある講習にこだわらないようにしましょう。

割り引かれても講習費用はかかります。

講習の内容を重視して、実施機関や割引にはこだわらず、自身のニーズに合った講習を選ぶことをおすすめすます。

講習時間免除条件を活用する

技能講習は10時間以内に限り、講習の免除条件があります。
何れも証明書を提出することで承認されます。

<講習時間の免除条件>
(1)技能検定キャリアコンサルティング職種1級に合格したキャリアコンサルタントにより行われるキャリアコンサルティングの実務に関する指導を受けた時間
(2)キャリアコンサルティングの実務に従事した時間

特に、キャリアコンサルティング実務が可能な方は、証明書を発行してもらい、10時間分の技能講習の免除を受けることで、更新講習の受講ノルマを30時間から20時間へ短縮することができます。

是非活用ください。

受講費用の支払い方法

だいたいの機関がクレジットカード決済に対応しています。
対応していない場合、もしくは別の支払い方法を希望する場合は銀行振込となります。

実技講習の選び方のポイント

興味だけで選ばない

興味だけであれば、知識はインターネットから得られる情報だけで十分です。

高い受講費用を払うだけの価値があるかが大事です。

技能講習は5年間で最大30時間を受講する必要があります。
6時間の技能講習であれば、計5回は受講が必要で、費用も10万円近くかかります。

興味だけで受講するのはもったいないため、ぜひ興味の先にある 「活かし方」を意識して講習を選定 しましょう。

費用だけで選ばない

知識講習であれば費用が安い講習をおすすめしていますが、技能講習の選定基準は費用だけでなく内容も重視します。

技能講習は安さを重視して、「活かすことができない」講習を受講しても本末転倒です。

とはいえ、講習費用は機関毎に大きく異なるため、費用が安いかは気になります。
講習の内容によらず一律料金で高額にならないように配慮している機関もあります。

5年間で30時間分の講習はかなりの費用がかかります。
調べれば調べるほど、「もっと安くならないかなー」とつくづく感じますが、せっかく高い費用を払うなら、日常で役立つ講習を選びたいものです。

技能講習のおすすめは以下の記事にまとめました。

キャリア理論や手法に関する更新講習のおすすめは以下の記事にまとめました。

セルフ・キャリアドックについての講習はこちらを参照ください。

更新講習も含めたキャリアコンサルタントの活動全般にかかる費用については以下を参考ください。