キャリアコンサルタントは何ができるのか?世の中にどんな貢献ができるのか?

そんな疑問をお持ちの方のために、何ができるのかをお伝えしたいと思います。

<この記事はこんな方におすすめ>
・キャリアコンサルタントになろうと検討中の方
・キャリアコンサルタントとは何かを知りたい方
・キャリアコンサルタントは何ができるのか知りたい方

【役割】世の中の生産性向上のため

キャリアコンサルタントは国家資格です。

では、なぜ国家資格なのかというと、一人一人の生産性を高めるところにねらいがあります。

単に指示されてこなす仕事、仕方なくやらされる仕事よりも、自らの判断で選び、動き、いきいきと働いた方が仕事の成果が生まれやすくなります。

各自の生産性が高まると、国として稼ぐ力も上がります。

キャリアコンサルタントが国家資格となったのは、一人一人に寄り添い、いきいきと生きていける手助けをするためです。

キャリアコンサルタントが行うキャリアコンサルティングは厚生労働省の説明によると以下です。

「労働者の職業の選択、職業生活設計又は職業能力の開発及び向上に関する相談に応じ、助言及び指導を行うこと」

難しく表現されていますが、つまり個人の能力開発を支援する役割を担っています。

【参考】キャリアコンサルタントについて(厚生労働省

生き方そのものに寄り添う

公的な資料などでは、働くための支援が主となっていますが、人生(生き方)そのものの支援が本質だといえます。

なぜならば、仕事と私生活は繋がっているからです。

どちらか一方が不調では、充実した人生にはなりにくいと思います。

【傾聴力】悩みや、不安等に寄り添う

話を聴くスキルです。

キャリアコンサルタントとの面談のことを「キャリアコンサルティング」と呼びます。

キャリアコンサルティングの基本は、相談者の話を聴くことから始まります。

傾聴を通して、相談者の気持ちに寄り添い、理解をするとことができます。

【心理的安全性】何でも話せる場づくり

キャリアコンサルティングは「心理的安全性」が確保された場となります。

つまり何でも話しやすい環境が保障されます。

キャリアコンサルタントは、安心・安全な場づくりにおいて、個人のみならず組織内でも大事な役割があります。

専門機関との連携とネットワーク

キャリアコンサルタントの世界では「リファー」という言葉があります。
リファーとは様々な専門機関へ支援を依頼することです。

状況に応じて、適切なリファーを実行するためには専門機関との繋がりや、人的ネットワーク構築力が必要になります。

豊富な人脈を持っていることは、キャリアコンサルタントの必要スキルだと思います。

どんな問題でも対応できるキャリアコンサルタントは、まずいません。

必要に応じて詳しい人へ相談したり、専門機関へリファーするハブのような役割もキャリアコンサルタントのスキルです。

労働市場の理解

様々な職業についての知識です。

例えば、データアナリストと言われて、「?」となっているだけではキャリアコンサルタントは務まりません。
知らないなら調べる手段を知っている、もしくは知識を有していることです。

ある業界で培ったスキルが別の分野で活かせることを知っているキャリアコンサルタントは、強力な支援力を持っているといえます。
きっと、たくさんの求職者の方の力になれることでしょう。

市場動向のスキル

経済を含めた世の中の流れをしっかり抑えているキャリアコンサルタントは「一流」と私は思います。

特に先見力。
先を見通す力があると、相談者への情報提供力も向上します。

相談者の潜在能力を活かすための助言にも役立ちます。

AIをはじめとしたテクノロジーの発達、少子高齢化により、仕事内容や働き方は年々変化します。

一流のキャリアコンサルタントは国の政策や市場動向にも常にアンテナをはっているのではないでしょうか。

法律知識

キャリアコンサルタントは、相談内容に応じて、関連する法律に基づいた適切なアドバイスができます。

支援の際に意識する法律は以下が挙げられます。(代表例)
・労働基準法
・労働者派遣法
・雇用保険法
・育児・介護休業法
・男女雇用機会均等法

また、企業内での相談対応の場合は、法律だけでなく「就業規則」についても理解が必要になります。

毎年何らかの法改正は行われています。
キャリアコンサルタントは、そういった法改正の変化にも対応しながら、支援の幅を広げています。

就職、転職への支援

キャリアコンサルタントが最も必要とされる領域です。

エントリーシート/履歴書/職務経歴書などの書き方指導、添削などをはじめ、面接対策の助言や指導もできます。

また、上記書類に書き出す内容を明確にする、自己分析の支援もキャリアコンサルタントの領域です。

前述した傾聴力、労働市場の知識、法律、職業の理解など様々なスキルを用いて、求職者を支援します。

セカンドキャリアへの支援

キャリアコンサルタントは、セカンドキャリアの支援領域でも対応できます。

少子高齢化により、シニア、ミドルシニア層の人口比率は高くなってきています。

定年後の働き方、アスリートの人生設計への支援など今後ニーズは高くなると思います。

キャリア教育

学校領域でもキャリアコンサルタントは活躍しています。

子どもたちへのキャリア教育もキャリアコンサルタントの役割です。

名古屋市の中学、高校にはキャリアコンサルタントが配置され始めています。

ダイバーシティ

多様性に対する理解力です。

キャリアコンサルタントにとって、ダイバーシティに対する理解力は必須スキルです。

企業内に勤めているキャリアコンサルタントであれば、とくに「インクルージョン」についても知識を持ちます。

つまり、多様な人材を受け入れることです。

余談ですが、ダイバーシティ&インクルージョンのことを「D&I」と訳して表現されることもあります。

キャリアコンサルタントには課題もある

キャリアコンサルタントのできることが広がっている半面、キャリアコンサルタント自体の能力も人により差が出てきています。

どんな課題があるか、私なりの視点で述べてみたいと思います。

課題:ITリテラシー

ITリテラシーはキャリアコンサルタントにとって必須のスキルです。

ですが、なかなかITスキルが浸透していないのが現状です。

オンラインでの面談に対応するため、最低限のIT機器を扱えるレベルにはなっていると思います。

ただし、テクノロジーの進化により働き方が変わることへの理解が、キャリアコンサルタントには不足しているように感じます。

最近は「アジャイル」など元々ITの領域で使用されていた表現が人事分野でも使われるようになりました。

時代の変化に鈍感なキャリアコンサルタントだと、支援できる幅が狭くなると思います。

課題:リスキリング

資格取得後の継続的な学習、知識やスキル強化を継続しているかどうかで、キャリアコンサルタント自身の質が大きく変わってきます。

キャリアコンサルタント自身がリスキリングしていかないと、市場では通用しません。

つまり継続的な学習習慣をもっていることが必要になります。

キャリアコンサルタントの質は、資格取得後の活動次第となるでしょう。

【まとめ】キャリアコンサルタントにできることは広がっている

キャリアコンサルタントの認知度は年々上がっています。

「何ができるのか?」限定できないくらいやれることが広がっています。

何れは、身近でキャリアコンサルタントが活動している姿も頻繁に見れる日がくるのではないでしょうか。

キャリアコンサルタントについて知りたい方は以下の書籍もおすすめです。
(以下の紹介にはプロモーションが含まれています)