ボランティア活動について、どんな印象を持っていますか?

多くの方が社会貢献のために無償で奉仕するといった印象があると思います。

しかしボランティア活動へ参加する目的は、それだけではありません。

活用次第では自律した生き方(キャリア自律)に繋がります。

今回はボランティア活動を通してキャリア自律を達成し、豊かな人生をおくるための考え方をお伝えします。

ボランティアはキャリア自律のはじめの一歩

キャリア自律は自分で考え、選択し行動することを意味します。

その点で、ボランティア活動はキャリア自律と親和性が高く、活用次第では自律的な生き方のきっかけになります。

生きるためとか、生活のためといったしがらみがなく、始めるのも、辞めるのも自分の意思なのがボランティアです。

つまり、ボランティアは自由な意思で選択する活動です。

そのため、何らかの動機に基づいて、その第一歩としてボランティア活動を選択するのは、キャリア自律のための手段となるわけです。

ボランティアの誤解

私自身、複数のボランティアを経験しています。

活動の中で感じた、ボランティアの誤解についてお伝えします。

〇〇してあげるといった目線ではない

社会人経験が長く、地位の高い人によくある誤解ですが、こちらから何かを与えるといった上から目線は大きな誤解です。

集まった人たちで協力して、その場の目的とする課題解決などに一緒に取り組んでゆく姿が現実的です。

ボランティア活動の場には、立場の上下関係はありません。

ちなみに、これまでの経験を活かす目的のボランティアはプロボノと呼ばれるボランティアです。

プロボノは職人さんや技術者などが、これまで培った知識や技術を活かして、社会貢献するボランティア活動です。

ボランティア受け入れ側のニーズに合わないと続かない

就職、転職と同じですが、ボランティア活動の受け入れ側にも求めているニーズがあります。

受け入れ側が、ボランティアへ参加する人たちに何を求めているのかを知り、その期待に応えることが必要です。

そのあたりは、会社などで働く場合でも、ボランティア活動に参加する場合でも同じといえます。

自分の都合と、受け入れ側のニースがマッチングしている必要があります。

また、相手が求めていることを理解し それに応えるために自分を変化させる姿勢も大事です。

アウトプットよりもインプットのほうが多い

自分の何かをアウトプットすることを目的とするより、学ぶ(インプット)を目的としたほうが、ボランティアへの活動動機は高まります。

金銭的な見返りのないボランティア活動では、アウトプットばかり意識していても、人からの感謝などの外発的動機ばかりを求めてしまい、スキルアップや成長といった内発的動機を得られにくいです。

やはり、やりがいを感じて成長するといった動機で、ボランティア活動に取り組むとキャリア自律に役立ちます。

「活かす」だけではなく「学ぶ」を意識する

これまでの経験を活かして、社会に貢献する意識ももちろん大事ですが、「学ぶ(インプット)」を意識したほうが、ボランティア活動への動機づけになります。

私自身はボランティア活動を越境学習と捉えています。

越境学習は、ホームではなくアウェイでの学習体験を意味します。

ボランティア活動の中で、普段得られない学びを得ることは、自律した生き方につながるのではないでしょうか。

自分の経験を活かして、「教えてあげる」といった態度ではなく、謙虚さをもち「教えてもらう」がボランティア活動を自己成長に繋げるために大事な姿勢だと思います。

目的に応じて複数のボランティア活動を行う

可能であれば、関連性のない複数のボランティア活動を同時に実施すると良いと思います。

私の場合、複数のNPOの活動に参加していますが、それぞれ目的が違います。

一方は子ども食堂の手伝いを通して、普段の会社生活では接することのできない年齢層と交流し、当初の目的だった様々な年齢層の価値観を知るきっかけになります。

また、一方では雑誌の取材・執筆・編集などのボランティアにも取り組んでいますが、社会課題を知ることと同時にライティングスキルの向上に役立っています。

このように、自分の内側にもつ動機とボランティア活動を紐づけることで、ボランティア活動の目的が成立し、尚且つ社会貢献に繋がるのであれば、活動に価値を感じることができるようになります。

ダイバーシティを学ぶには最適

ボランティアには多様な支援領域があります。

多様性を知ることも、キャリア自律に繋がります。

職場や学校でダイバーシティ教育を学ぶ機会が増えていますが、座学よりも実際に現場で多様な方々と接する機会があったほうがより理解度が高まります。

特に、ダイバーシティ教育を受けていない50代以降や高齢者の方には、是非、ボランティア活動を通して多様性を学んでほしいと思います。

ダイバーシティを学ぶと、日常のあらゆるところで、ものの見方が変わります。

自分と異なる外見や価値観を持っている方にもリスペクトできるのではないでしょうか。

セカンドキャリアに向けた人づくりにも最適

セカンドキャリアの選択肢を増やすためにも、人とのネットワーク構築は不可欠です。

ボランティア活動は人とつながる目的には最適です。

多様な人たちと接することで、改めて自分を見つめなおして、自分の生き方にフィードバックすることができ、それがキャリア自律に繋がります。

義務感やモチベーションが下がったら辞めてもOK

ボランティア活動は無理して続けなくても良いと思います。

特に、しなければならないバイアスとも言える義務感や、慣れからくるマンネリ化を感じた場合などは、辞めても良いでしょう。

続けることに意味があるかで判断しましょう。

無理に社会貢献のためとかは考える必要はないです。

ただし、楽しいと感じるうちは、続ける動機があると思います。
逆に「楽しくない」と感じるようになったら、本来の目的からずれているため、見直す時期になります。

ボランティア活動の探し方

ボランティア活動の探し方についてお伝えします。

Webサイトで探す

有名どころのボランティアサイトをご紹介します。

ボランティア活動の検索をすることも可能です。

・activo(アクティボ)

・ボランティアプラットフォーム

・日本財団ボランティアセンター

・ボラ市民ウェブ

・ボラみみ

自治体の情報

地域の情報をくまなくチェックするとボランティア情報をたくさん入手することができます。

地域の広報などを読むと、ボランティア募集のきっかけになる情報が掲載されています。

また、市役所や区役所、図書館や市民活動センターなどの自治体施設に行くと情報を仕入れることができます。

ボランティアは社会貢献と自己実現の両立

ボランティア活動はあくまで「自分のため」と考えた方が、意味を見いだせると思います。

自分の自己実現のための活動が結果的に、社会貢献につながるのであれば、とても素敵です。

自分自身のキャリア自律のために、どんなボランティア活動が効果的かを考えてみてはいかがでしょうか。