子供は普段からの親の背中を見て、学び、感じて育っています。
そのため、「働くこと」に対する捉え方は、親の影響が大きくなります。

親自身も活き活きとした自分の背中を見せるために、自分のことを大切に、セルフケアをしてほしい。
今回はそんなお話です。

勤労観を育むには

勤労観とは

勤労観は人生において、「仕事とは、働くとは何か」を位置づける価値観です。

勤労観・職業観は将来、子供が社会人・職業人として自立する際に必要な考え方の軸となります。
そのため、勤労観が育たないまま大人になっては、働く意味すら見失ってしまいます。

よく「親の紹介でなんとなく就職した会社」で、早期離職するケースを聞きますが、職業観が育っていない点も原因の一つです。

子供の勤労観は親の影響が強い

子供の勤労観は親の影響が強いです。

活き活きと仕事をしている親の姿を見ている子供は、働くことに対して前向きに捉えます。
対して仕事がつらそうな親の姿を見ている子供は、働くことに対して後ろ向きに捉えます。

私は職業講話のため、中学校等で年に数回登壇しますが、「親が大変そうだから働きたくない」と話す子供もいました。

それだけ、普段から仕事に向き合う親の態度を子供は観察し、影響を受けているのです。

前向きな勤労観のために

では、子供が仕事に対して前向きに考えるためにどうしたらいいか。

それは、

 親自身が仕事に対して前向きになり、そして態度で示すことです。 

では、子供にどのように伝えていけばいいかを、以下に記載します。

子供に仕事のやりがいを伝える

みなさんは子供に 「仕事のやりがい」 を伝えていますか?
「生活のために必要だから」だけでは、今の子供の心には響かない時代です。

また、「仕事=大変、つらい」だけでは、正しく子供の勤労観を育むことが難しいと思います。

忙しい中でも、 得られること、成長したこと、少しだけでもうれしかったことを、さりげなく子供に伝えてみてください。 
子供は親のことをしっかりと見て、感じています。

背中で語る

子供にあまり話しすぎると、押し付けられた気持ちになり、話を聞いてくれなくなります。
そこで、言葉ではなく 「態度で示す」 ことがコツです。

話して伝えることに加えて、活き活きと活動している親の姿勢を見せる、つまり 「背中で語る」 ことが勤労観を育むためには大切です。

在宅勤務は子供に仕事を見せるいい機会に

コロナの影響もあり、オンライン化が進み、私自身も在宅勤務であったり、キャリアコンサルタントの活動も自宅でオンラインツールを使用してのカウンセリングや打合せをする機会が多くなりました。

私の娘は将来「キャリアコンサルタントになる」と話してくれていますが、理由を聞くと「パパが楽しそうだから、人を助ける仕事だから」と言ってます。
活き活きと活動している私の姿を娘は見てくれています。

親が働く姿を、子供が見る機会は勤労観を育むためにも大切なことだと思います。

愚痴も前向きに

仕事で不満があると、どうしても愚痴っぽくなりますが、そのつぶやきもしっかり子供は聞いています。

愚痴は我慢するよりも、吐き出したほうが心の健康を保つためには必要ですが、せっかくなので、前向きな愚痴を語りましょう。

ポイントは 「考え方を変える」 ことです。

考え方を変える訓練は リフレーミング でできます。

ネガティブ表現をポジティブ表現に変換して、前向きな愚痴を語りましょう。

家庭で仕事の愚痴言った後で、「でも勉強になるから、成長できそうだから」と一言付け加えれると素敵です。

自己犠牲ではなく自分を大切に

お子様を持つ、親の皆さんは自分自身のことを「後回し」にしていませんか?
自己犠牲して家族を第一にと考えがちですが、私はまずは自分を大事にしてほしいと思います。

自分を大事にできると子供にも健全に接することができる

「自分を大事に」…
この表現、正しく説明しないと自分勝手と捉えられがちですが、要は 「セルフケア」 です。
自分の心が健康でないと、大切な家族や人と正しく向き合えないからです。

そして、心が健康で家族と正しく向き合えるからこそ、仕事に対する前向きな姿勢を子供に見せることができます。

親が活き活きすることが、子供の勤労観に影響するのです。

心に余裕がないとやりがいも感じにくい

心の余裕がない状態だと、子供のために、家族のために奉仕している自分自身に対して、
感謝されないとやりがいをなくしたりするでしょう。
だけど、見返りを求めると、見返りが返ってこないときに、ストレスに感じたりします。
「***してあげている」と言うキーワードにぴんと来る方は特に注意が必要です。

親自身の心の余裕が、子供の勤労観にも影響を与えるわけです。

なので、ご自身のセルフケアもしっかしやっていきましょう。

「自分のことを優先する」は無責任ではない

 「自分のことを優先する」ことは、決して無責任なことではありません。 
大切な人に、正しく向き合うために、自分のことを大切にする。
そんなふうに考えれると、自己肯定感も高くなるのではないでしょうか。

まとめ

子供の勤労観を育むためには、親自身が仕事の「やりがいを話す」、そして「背中で語る」が大事だと私は思います。
そして、自身のセルフケアも大切です。

これらをまとめると、「親自身が活き活きとすること」これに尽きるのではないでしょうか。