普段、子供が何かに熱中している姿を、親のみなさんはどう感じていますか?
どうしても、親のバイアスにより、制限をかけたりするケースもあると思います。

何かに熱中する子供の姿には、 「好奇心」、「自信」、「自己肯定感の向上」 といった、成長するための大事な要素が含まれています。

かと言って、時間無制限で熱中させても、生活に支障が出るかもしれません。

子供の熱中と日常生活を上手に付き合う、私なりの考え方をご紹介します。

子供の熱中に制限をかける時の注意点

子供のゲームやテレビは「一日一時間まで」と制限をかけたり、熱中している遊びや、作業にも制限をかけたりしていませんか?
親の心情を察するに理解できますが、子供の個性や学びまで奪ってしまっている可能性があります。

熱中を止められるとストレスを感じる

何かに熱中している自分の姿を思い浮かべてみてください。
横やりが入って途中で止められると、とてもストレスですよね。

子供も同じで、ストレスがそのまま態度に現れてしまいます。
我慢のストレスを蓄積したり、時には反抗的になってしまいますが、親がその原因を作り出してしまっているかもしれません。

子供の熱中/夢中に制限をかけようとする時は、以下を考えてみてください。

親のエゴで制限をかけない

その制限は、「子供にとって」「自分にとって」なのかを考える必要があります。
親のエゴにならないように注意が必要です。
「ゲームよりも勉強してほしい」から?

特に「子供にとって」と思っても、それは「親の一方的な考え方」であることを意識する必要があります。
自分のこだわりを子供に押し付けているだけかもしれません。一度、自問自答してみてください。

制限すべきこと

時間無制限で熱中しても、生活に支障をきたします。
そこで、私自身が、熱中している子供に制限をかけるケースを以下に記載します。

睡眠時間を削ってまで熱中しないように

睡眠はすべての源なので、とても大事です。
子供にとってベストな睡眠時間は、日常の観察によって把握しますが、「睡眠時間を削る」まで熱中しない程度に親は見守ります。
体を壊しては元も子もないです。

日常のルーティンだけは済ます

学校の宿題、食事、お風呂などの日常生活の基本部分のことです。

これらを守れば、あとは子供自身で時間を作り、思いっきり、やりたいことに熱中してほしいと思います。

熱中するメリットを理解する

何かに熱中して、時間があっというまに過ぎる経験はみなさん一度はあると思います。
私自身も、没頭する経験はありますが、 充実感や幸福感 があります。
子供の熱中も同じです。

この充実感、幸福感が子供の成長には欠かせません。

フローの理論

時間を忘れてまで、何かに没頭している状態を、フロー状態といいます。
フロー状態のメリットは、 フロー理論 で示されています。

フロー理論はチクセントミハイ(アメリカの心理学者)が提唱した理論です。
人間発達のモデル(浅川希洋志さん・心理学者)とされています。

「成長を実感でき、満足度の高い生活」のためには、フロー状態は必要なのです。

フロー状態のメリットを以下に記載します。

熱中のメリット①:好奇心を育む

 熱中してフロー状態の子供は、高い好奇心を持っており 、学ぶための良い状態にあります。

熱中しているケースでは、対象となる物事が、適度な難易度となっている場合が多く、成長のための良い条件が整っています。

熱中のメリット②:自己肯定感の向上

 フロー体験を得られた子供は、その幸福感から、自己肯定感も向上しやすい です。

それは、前述した適度な難易度をクリアする成功体験からの、積み上がりが背景要因にあります。

熱中のメリット③:自信がつく

 「できた!」という達成感から来る、自信 も大きなメリットです。
これを、 自己効力感 とも呼びます。

自信がつくことで、また新たなことにチャレンジしようと思えるようになり、物事に対して前向きに捉えれるようになります。

熱中する子供に親ができること

では、子供の熱中と日常生活を上手に付き合うにはどうしたらよいでしょうか。
私なりの取り組みを記載します。

子供の興味を親も理解する

子供の熱中に共感できるように、興味の対象物を知ってみることをお勧めします。
ポケモンカードゲームが好きな子供なら、親も一緒に知り、遊んでみる感じです。

親のバイアスを取り外す

親自身の興味の有無、役に立つ、立たないのバイアスを外して、 子供の興味に対して、好意的関心を持って 接してください。

大事なのは 「付き合う」ではなく、「自分でやってみる」 です。
意外と新しい学びが発見できるかもしれません。

子供に教えてもらうつもりで

私は、 分からないことは、子供に教えてもらう、先生になってもらいます。 
親も、子供の熱中を知ることにより、メリット、デメリットなどの影響も把握できます。
子供の熱中を不安に感じるよりも、むしろ積極的に関わっていきましょう。

私自身は、これは一番大事だと感じています。
子供とのコミュニケーションを持続させるためにも、必要なことです。

ゲームや遊びに含まれる学びを知る

興味がないものは、「意味がない」と決めつけてしまいがちです。
親の興味がないものに対して、子供が夢中になると、親はどうしても否定的になります。
親自身が子供の興味に積極的に関わっていきましょう。

やめ時を共有する

冒頭で述べた通り、時間無制限で熱中させるわけにもいきません。
ただ、熱中を強制的に止めると子供にとって、ストレスです。
私の実体験として、やめ時は以下の2点で共有しています。

やめるタイミングを子供に決めてもらう

親が決めるのではなく、子供自らがやめ時を宣言します。
その際、親は子供が決めたやめ時を最大限尊重し、否定しないことです。

一緒に取り組み、タイミングを共有する

ゲームなどであれば、親も一緒に参加することで、やめ時がわかります。
何事にも、節目がありますので、その節目を共有してお互いのやめ時を共有します。

まとめ

熱中する子供の姿は、暖かく見守ることが大事で、フロー状態にはたくさんの成長材料があります。
熱中は成長のために必要なのです。

子供の熱中と親が上手に付き合うために大事なのは、やはり、子供の視点で一緒に考えられる状態を作り出すことです。
親自身が、子供の興味に対して食わず嫌いにならないようにしましょう。